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かかとのひび割れ 原因・症状・治療法

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かかとのひび割れのイメージ画像

かかとのひび割れとは

かかとのひび割れは、冬の気温低下による血行不良や乾燥によって、皮膚バリア機能が低下し、その結果、柔軟性が失われ、皮膚表面に亀裂(ひび割れ)が入った状態です。

かかとのひび割れは、その深さによって症状が異なり、表皮の深い層や真皮にまで達すると、痛みやかゆみ、出血を伴うことがあります。また、かかとは、皮膚が厚く全体重がかかることから、ひび割れが深くなりがちです。

かかとのひび割れの原因

かかとには、以下のようなひび割れしやすい部位としての特徴があります。

かかとの皮膚の構造
かかとの皮膚は、全体重がかかることで絶えず負荷がかかるため、もともと角層が厚く、皮膚が硬くなりがちです。身体の他の部位と比べて、柔軟性が低いため、ひび割れが発生しやすい構造です。また、皮脂腺がないため、乾燥しやすいという特徴もあります。
肌のターンオーバーが遅い
肌のターンオーバーが遅いことは、肌トラブルの原因になります。表皮の一番下の細胞層(基底層)で新しい表皮細胞が作られ、それが分化・成熟しながら皮膚表面に向かって押し上げられます。角層まで達した表皮細胞は、角質となり、やがて垢として剥がれ落ちることで、表皮細胞は常に入れ替わります。この過程を「ターンオーバー」といいます。ターンオーバーの周期は、部位によって違いがあり、かかとのターンオーバーの周期は長くなる傾向です。ターンオーバーの周期が長くなると新しい角質と入れ替わるのに時間がかかり、古い角質が剥がれ落ちずに堆積し、柔軟性が失われ硬くなりやすいです。

このような部位の特徴を持つかかとに、以下に示す要因が加わることで、ひび割れが起こります。

  • 気温低下や湿度低下による空気の乾燥
  • 血行不良
  • 加齢によるターンオーバー異常

気温低下や湿度低下による空気の乾燥により、皮膚の表面は乾燥しがちです。特にかかとの皮膚は、皮脂腺がないため、乾燥しやすいです。さらに足は血行が悪くなりがちで、皮膚への栄養供給が不充分になることもあります。また、年齢を重ねることで皮膚の新陳代謝が遅れ、皮膚のターンオーバー異常を招きます。そうなると質の良い角層が作られず、さらに古くなった角質がうまく垢として剥がれずに堆積し、柔軟性が失われ皮膚が硬くなり、ひび割れが起きやすくなります。

このような様々な原因が組み合わさることで、かかとのひび割れが起きやすくなります。

かかとのひび割れの症状

かかとのひび割れは、皮膚の柔軟性が失われ、皮膚表面に亀裂(ひび割れ)が入った状態です。角層がささくれのようにめくれ、繊維やストッキングが引っかかり痛みを生じることがあります。また、ひび割れが表皮の深い層や真皮にまで達すると、痛みやかゆみ、出血を伴うことがあります。なお、ひび割れが深くなった場合は、歩行時に痛みを伴い、日常生活に支障が出る可能性もあります。

かかとは、全体重がかかりやすいため、一度ひび割れが発生すると治りづらい傾向です。また、歩いたり立ったりすることで絶えず負荷がかかるため、症状を悪化させる可能性があります。

かかとの水虫に注意

かかとのひび割れが長期間にわたって改善しない場合は、水虫の可能性もあります。かかとの水虫は、皮膚が分厚く硬くなり、ひび割れたり、皮膚がめくれたりする症状のため、見た目では乾燥によるひび割れと区別がつきにくいです。水虫は一般的にかゆみを伴いますが、かかとの水虫ではかゆみはほとんど認められないため、治療が遅くなりがちです。
ひび割れ症状が、しっかり保湿しても改善しない、夏場になっても治らない場合は、水虫の疑いがあるので、皮膚科を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

かかとのひび割れの対処法・治療法、予防法

かかとのひび割れの対処法・治療法

まずは、市販の外用薬が使用できます。有効成分としては、血行促進効果のあるビタミンEや保湿効果のあるヘパリン類似物質、ひび割れの修復効果のあるアラントインやパンテノールなどの成分や、皮膚のターンオーバーを調節し皮膚を内側から柔らかくするビタミンA油などが効果的です。また、剤形については、べたつかない使用感の良いクリームや水に強い軟膏など、好みや使用場面に合わせて選んでください。なお、ハイドロコロイド素材の絆創膏も外部刺激からの保護に適しています。
ただし、症状が長引く場合は、皮膚科を受診しましょう。

硬くなったかかとの角質は削った方が良い?

かかとのひび割れに対して、硬くなった角質を削る行為がみられます。硬くなった表面の角質を削ると、一時的にかかとが滑らかになりますが、根本的な解決にはなりません。角質を削りすぎると、痛みを引き起こすリスクを高めたり、却って角質がより厚く硬くなることもあります。

かかとのひび割れの予防法

かかとのひび割れを予防するには、以下のような日々の生活習慣の見直しと適切なケアが重要です。

日々の保湿
かかとの乾燥を防ぐために、こまめに保湿クリームなど使ってしっかりと保湿しましょう。入浴後、早めに保湿剤を塗ると効果的です。
血行促進と代謝機能の向上
軽い運動やマッサージを定期的に行うことが血行促進や代謝機能の向上につながります。足浴やストレッチも有効です。また、靴や靴下は圧迫の少ないものを選び、血行を妨げないようにしましょう。

まとめ

かかとのひび割れは、冬の気温低下による血行不良や乾燥によって、皮膚バリア機能が低下し、その結果、柔軟性が失われ、皮膚表面に亀裂(ひび割れ)が入った状態です。
かかとのひび割れは、見た目の問題だけでなく、痛みや不快感を伴い、場合によっては日常生活に支障をきたしかねません。
かかとのひび割れの症状を悪化させないためには、こまめな保湿を心がけ、適切に治療しましょう。
ただし、長期間症状が治まらない場合は、早めに皮膚科を受診し対応することも大切です。

監修

檜垣 祐子(ひがき ゆうこ)

若松町こころとひふのクリニック院長
医学博士、皮膚科専門医。東京女子医科大学附属女性生涯健康センター教授・副所長を経て現職。専門はアトピー性皮膚炎、皮膚心身医学。著書に『皮膚科専門医が教えるやってはいけないスキンケア』(草思社)など。

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