知っておきたいお子さまの健康に関する
お役立ち情報をご紹介します。
- あれ?様子がおかしい。体調不良のサインってどんなもの?
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お子さまは身体の調子が悪い時、自分の体調をうまく言葉で表現できないことが多く、体調不良のサインは身体面や行動面、感情面に現れます。また、これらのサインは症状が重くなる前触れとして現れることもあります。特に、赤ちゃんは言葉が話せないので自分に起きた体調変化を周囲の大人にうまく伝えられず、対処が遅れてしまうことがあるため注意が必要です。
お子さまの体調不良のサインをキャッチするには、ふだんからお子さまの身近にいるママ・パパの「いつもと違う」という感覚が大切です。お子さまを抱っこした時に「いつもよりも体温が高いかも?」「顔色が少し悪いような気がする」「機嫌が悪い、ぐずる」など、ちょっとした体調の変化に気付いてあげましょう。
身体に見られるサイン
- 発熱
- 顔色が悪い
- 発疹
- 寝付きが悪い、眠らない
- 食欲がない
- ぐったりしている など
これらのサインが見られる時は、お子さまに何かしらの異変が起きている可能性があります。お子さまの体調は急に悪化することもあるため、このようなわずかなサインも見逃さないように見守ることが大切です。
一般的にお子さまは大人に比べてよく眠るものですが、体調を崩していると寝付きが悪くなります。ふだんよく眠るお子さまが苦しそうに何度も寝返ったり、途中で目が覚めてしまったりするのは体調が悪いからかもしれません。また、急に食欲がなくなるのも要注意です。蕁麻疹などの皮疹も体が弱っている時に出やすいサインのひとつです。
行動や感情に見られるサイン
体調が悪いと行動面に変化が見られる場合があります。また、お子さまが体調不良の時は情緒が不安定になることもあります。
- ボーッとしている
- 元気がなく寝てばかりいる
- 耳やのどのあたりを頻繁に触る
- 無口になる
- 急に甘える
- 機嫌が悪い
- イライラしている
- 無表情になる など
これらの行動面の変化も、お子さまが発する体調不良のサインです。ふだん活発なお子さまが「元気がない」と思ったら、その日の夜や翌朝に発熱したというケースがあります。その他、しきりに耳を触っていると思ったら中耳炎の痛みだった、のどのあたりを気にすると思ったらのどの痛みだったということもあります。
また、いつもとは違う感情が出てくる場合も体調不良のサインです。一見わがままを言っているように感じますが、いつもと様子が違う時は「体調が悪いのかもしれない」と疑い、お子さまの様子をよくみてあげましょう。
自己判断せず、気になる場合は病院へ
いつもとは明らかに様子が異なる時や眠らない、水分・食事をとらない状態が続いている時は医療機関を受診しましょう。
お子さまの体調の変化は突然現れることも多いため、いざという時に慌てないように夜間や休日に診療を行っているお近くの医療機関を調べておくとよいでしょう。さらにお子さまの症状は一過的なものである場合も多く、緊急受診した頃には症状が治まっていることもあります。症状が出ている時にスマートフォンなどで動画や画像を撮影する、ノートに簡単に症状を書き留めるなどの記録があると、診察の際に役に立ちます。
- 症状別 ホームケアのポイント
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今回はお子さまの主にかぜによる体調不良に対して家庭でできるケアのポイントを、日常的に遭遇する症状別に解説します。
※2才未満のお子さまの発熱・せき・鼻炎症状は医療機関への受診を優先してください。発熱
発熱はウイルスや細菌などの外敵と戦う免疫反応の一つなので、慌てずにお子さまの様子をよくみてあげましょう。
<ホームケアのアドバイス>
お子さまの体温と全身状態をチェック
朝昼夜だけでなく、眠っている時の様子やお薬を服用する場合はその前後の変化など、こまめに様子をみてあげましょう。
発熱していても「機嫌が良い」「元気がある」「食欲がある」「眠れている」状態であれば市販薬を飲ませて様子をみることもあります。一方で、熱が高くなくても水分が全くとれない、ぐったりしている場合などは医療機関を受診しましょう。水分補給
発熱時は熱の影響で脱水を起こしやすくなります。水やお茶などで水分補給を行いましょう。ただし、嘔吐した直後は飲み込んだ水分の刺激によって再度嘔吐する可能性があるため、口をすすぐ程度とし、胃腸を少し休ませてから少量ずつ補給してみましょう。
身体を冷やす
高熱の時は、頭を冷却シートやアイス枕で冷やし、それと同時に太い血管が通る首の後ろ、脇の下や鼠径部を保冷剤や冷たいタオルで冷やすと効果的に身体を冷やせます。
室温や衣類を調整
お子さまがガタガタ震えて寒そうにしている時や手足が冷たい時は一枚多く着せて、部屋を暖めます。一方で、手足の先が熱くなり、汗をかくようなら薄着に着替えさせ、室温も下げましょう。
<どんな時に市販薬を使って良い?>
- かぜのひき始めで症状が軽い場合や、休日・外出先で医療機関を受診できない場合に市販の薬で様子をみることもあります。熱があって「機嫌が悪い」「食欲がない」「眠れていない」といった場合は、解熱剤を使用することを検討しましょう。解熱剤を使用する目安については、体温の高い低いだけではなく、お子さまが辛そうにしているかどうかをみることが大切です。
- 使用する際は用法・用量を確認しましょう。服用の間隔については、1日3回服用は4時間以上、1日2回服用は6時間以上空けるのが服用間隔の目安です。
- 発熱だけでなく、せき・鼻みずといったかぜ症状を伴う場合は、総合かぜ薬を服用して様子をみましょう。
<こんな時は医療機関を受診>
呼吸が苦しそうで眠りが浅い、水分や食事がとれていないなど、明らかにいつもと様子が違う場合や体温が低い場合でもお子さまがぐったりしているようであれば医療機関を受診しましょう。
せき
せきは本来、異物を外に吐き出すという大切なはたらきです。しかし、体力を消耗するなどお子さまにもママ・パパにも、とても辛い症状です。
お子さまのせきは夜間から明け方にかけて特に強く出る傾向があります。せきがある時は次の3つを意識してホームケアしましょう。
※お子さまのせき症状が続いている場合は、小児喘息の可能性もあるので医師に相談しましょう。<ホームケアのアドバイス>
のどを冷やさない
気管支に冷たい空気が入ると粘膜を刺激し、せきこむことがあります。首の周りを温める衣服を着せる、冬場であれば、乾燥に注意して暖房で部屋を暖めるなどして、のどを冷やさないようにしましょう。
乾燥対策
せきは乾燥によっても悪化します。加湿器をつけたり、ぬれタオルを干したり、こまめに水分補給を促したりして、のどの乾燥を防ぎましょう。
<どんな時に市販薬を使って良い?>
症状が軽い時は市販のせき止め薬で様子をみましょう。特にせきがひどくなりやすい夜間から朝方においては、就寝前にも服用できるお薬もあるため調べておくとよいでしょう。服用する際は、用法・用量を守りましょう。
また、せきだけでなく、熱や鼻みず・鼻づまり等のかぜ症状を伴う場合は、総合かぜ薬を服用して様子をみましょう。<こんな時は医療機関を受診>
激しくせき込んで眠れない、吐いてしまう、呼吸時に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音がする、「ケンケン」といった聞き慣れないせきをしている場合は、医療機関を受診しましょう。
のどの痛み
乾燥や免疫力の低下でウイルスや細菌がのど粘膜に侵入すると、炎症が起こり、のどの痛みを引き起こします。
<ホームケアのアドバイス>
のどを刺激しない
のどに刺激を与える熱いまたは冷たい飲み物、濃い味の飲み物、のどにしみることがある酸味のある果物の果汁は避けましょう。
乾燥対策
のどの痛みは乾燥によっても悪化します。加湿器をつけたり、ぬれタオルを干したり、こまめに水分補給を促したりして、のどの乾燥を防ぎましょう。
<どんな時に市販薬を使って良い?>
のどに違和感があるといった軽い症状の場合は、お子さま用のどスプレーを使用し、のどの炎症をしずめ粘膜症状の回復を促しましょう。また、かぜが原因ののどの痛みの場合は、かぜ薬と併用してのどスプレーを使用することもできます。それぞれの市販薬の使用上の注意を確認した上でご使用ください。
※のどスプレーを使う時の注意点
お子さま用のどスプレーは、息を吸いながらスプレーをすると薬液が気管支や肺に入ることがあるので、お子さまに「アー」と声を出してもらいながら、大人が噴射塗布しましょう。一般に「アー」と声が出せれば使用できますが、各商品の説明文書を確認の上、使いましょう。<こんな時は医療機関を受診>
のどの痛みが強く、食事がとれない、水や唾液を飲みこめない時や、呼吸が苦しそうな時は、医療機関を受診しましょう。
鼻みず、鼻づまり
お子さまの鼻みずや鼻づまりの原因には、かぜだけではなくアレルギーが原因の場合があります。
お子さまの鼻の中は狭いため、鼻がつまりやすく鼻みずが溜まりやすい傾向があります。また、鼻と耳をつなぐ耳管が太く短く水平であるため、構造的にウイルスや細菌などが耳管から中耳に入りやすく、炎症を起こした場合は中耳炎になることがあります。そのため、こまめに鼻みずをとり除くようにしてあげてください。また、お子さまの場合、鼻を強くかむと耳を傷めることもあります。<ホームケアのアドバイス>
鼻みずを取る
自分で鼻をかめるようであればこまめに鼻をかむように促します。自分で鼻がかめない赤ちゃんや小さいお子さまの場合は、ティッシュやガーゼで拭きとる、吸引器を使って鼻みずを取り除くなど状態に応じた対処を行いましょう。鼻の上にホットタオルを当ててあげたり、風呂上がりなど温まって鼻腔が広がった状態で行ったりすることで、鼻みずが取りやすくなります。
鼻をかむコツ
上手く鼻がかめない少し大きなお子さまには、片方の鼻の穴にティッシュを詰め、ティッシュを詰めていない方の鼻の穴を指でふさぎ、口から息を吸いながら「フンっ」と鼻から息を出してティッシュを吹き飛ばす遊び感覚でできる鼻かみ練習があります。「遠くまで飛ばせるかな?」などとお子さまが楽しみながら鼻をかむコツも知っておくといいでしょう。
乾燥対策
部屋の湿度が下がると、鼻づまりの症状が出る原因となります。加湿器やぬれタオルを干し、部屋を加湿しましょう。
<どんな時に市販薬を使って良い?>
軽い症状の時は市販の鼻炎薬を使用して様子をみることができます。また、アレルギー性の鼻炎症状にも使うことができますが、長期間の使用になる場合は医療機関に相談しましょう。
<こんな時は医療機関を受診>
鼻みずの色が黄色や緑色をしている場合はウイルス感染や細菌感染を起こしている可能性があるので、医療機関を受診しましょう。
- 教えて!お子さま向けの市販薬
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ママ・パパにとって気になる、お子さま向けかぜ関連の市販薬の使用実態について調査をしました。市販薬を使うことへの不安に対して、上手な使い方などをご紹介します。
ママ・パパにとって、お子さまの健康についての情報にはとても関心が高いと思われますが、あふれる情報をきちんと見極めることが大切です。お子さまは、心身ともに未熟で発育途上にあるため、薬に対する反応も年齢や体重によって異なります。また、個人差も大きい時期なので、自己判断で薬を使用することが心配なママ・パパも多いのではないでしょうか。
お子さまが小さな時期は医師の診断を優先することが大切ですが、少し大きくなってくると、軽度の不調であれば市販薬で様子をみることも多くなってくるかと思います。ママ・パパはどんな時に、どんな症状で市販薬を使用しているのでしょうか?
ここでは、お子さま向けの市販薬に関してや、お子さまがいる方に聞いた市販薬を使用した年齢、「どうして病院へ行かず市販薬を使うのか」といった市販薬を使用するタイミングなどの調査結果をご紹介します。お子さま向けの市販薬って使っても大丈夫なの?
調査によると、お子さまに市販薬を使用する際に心配なことトップ2は「効き目」と「安全性」でした。大切なお子さまだからこそ、「使っても大丈夫かどうか」と不安になる方が多いことがわかりました。
市販薬は、長年効果や副作用などを検討し、ママ・パパや患者さまが自分の判断で使用しても問題ないと認められた成分を配合した医薬品です。よって、効き目はもちろんのこと、安全性がより重視されたものが多いです。つまり、使用上の注意をよく読んで正しく使えば、基本的には安全に使用できます。ただし、稀に副作用は起こりうるため、事前に薬の説明文書にある副作用症状を確認し、お子さまの様子を見守りましょう。
ただし、2才未満のお子さまは抵抗力が弱く症状が重くなりやすいので、医師の診療を優先してください。初めてお子さまに市販薬を使用する時に「不安ではなかった」と回答した方は6割以上。10年前の調査結果と比較すると1割近く増えています。セルフメディケーションが浸透してきた事により、市販薬に対して安心なイメージが増えていることが伺えます。
お子さまの市販薬ってみんな使っているの?
調査結果によると、4割近くの方がお子さまに市販薬を使ったことがあることがわかりました。年齢が上がるにつれ、お子さまへの市販薬使用は多くなり5~6才では約半数が「使用経験あり」と回答しています。
10年前に実施した調査結果では、お子さまが0才の方で3%、1才の方で12%が「使用経験あり」と回答していました。それに比べると、お子さまへの市販薬使用は全体的に増えています。市販薬に対する安心なイメージや、すぐに病院に行けないケースが増えているのかもしれません。
どんな症状にお子さまへ市販薬を使っているの?
調査によると、症状の軽い時や、かぜのひき始め、せきや鼻みずなどの症状が気になるという場合に市販薬を使用している方が多いようです。
病院に行かず、市販薬を使用するのはどんな時?
病院の受診を控える理由として、待ち時間が長く、他の病気にかかる心配のある方が多いようです。
夜間や休日などの病院が閉まっている時間帯などには、お子さまの症状をみながらドラッグストアなどで購入できるお子さま向けの市販薬を使用する方法もあります。
ただし、お子さまの症状は変わりやすいので、市販薬を飲ませたからと安心せずに、お子さまの様子を見守りましょう。
以上、お子さま向けの市販薬に関してのお役立ち情報をお伝えしました。お子さまの症状や状況に応じて、上手に市販薬を使用してみてください。
- どんな時に市販薬が使われているの?
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薬局やドラッグストアに行くと、さまざまな市販薬が手軽に購入できます。市販薬の中には、赤ちゃんや小さいお子さまから使える薬もあり、急な発熱や体調不良が発生した時のために備えておくと安心です。ただ、はじめてお子さまに市販薬を使う場合に、不安を感じる方がいらっしゃるかもしれません。
今回はお子さまに市販薬を使うタイミングや常備しておきたい市販薬についてご紹介します。
他のママ・パパはどんな時に市販薬を使っているの?
市販薬は病院に行くほどの症状ではない時やすぐに受診できない時に役立ちます。しかし、中にはお子さまに市販薬を使うことに不安を感じる方もいます。
池田模範堂ではお子さまを持つママ・パパを対象に「どんな時、どのような症状に市販薬を使用しているか」に関するアンケートを実施しました。
その結果、症状の軽い時やかぜの引き始め、せきや鼻みずなどの症状が気になる場合に市販薬を使用している方が多いことがわかりました。ほかにも、すぐに受診できない(外出先、夜間、休日)時に使用していると回答した方もいました。
ただし、お子さまの症状は変わりやすいため、市販薬を飲ませた後も体調に変化がないかどうかを見守りましょう。市販薬を飲ませても症状が改善しない、または悪化している場合は医療機関を受診しましょう。
お子さまの体調不良が続いている時、症状がひどい時、周囲で明らかにインフルエンザなどの感染症が蔓延している時などは医療機関を受診し、治療を受けることが優先です。また、生後3ヵ月までの赤ちゃんに発熱などの体調変化が出た場合は自己判断せずに医療機関を受診してください。
いろいろある。お子さま向けの市販薬
お子さまは大人に比べて身体が小さく、代謝機能が未熟です。そのため、市販薬を使用する場合は必ずお子さま向けの薬を使用する必要があります。お子さま向けの市販薬は安全性に考慮するだけでなく、飲み薬の場合はお子さまが飲みやすいように味や形状などにも工夫が凝らされています。お子さま向けの市販薬には、大きく分けて次のような種類があります。
症状別の代表的なお子さま向け市販薬の剤形
症状 代表的な剤形 熱 顆粒、シロップ かぜ シロップ、顆粒、錠剤 せき シロップ、顆粒 鼻炎 シロップ、顆粒 のどの痛み スプレー、トローチ 市販薬の使用対象(目安)年齢は薬ごとに異なります。パッケージに「生後6ヵ月から」「1才から」などと記載されているので、年齢に合った市販薬を選びましょう。どの薬を選べば良いか迷った時はお子さまの年齢や、アレルギー・既往歴の有無を薬剤師に伝え、相談しましょう。
家庭に常備しておきたい市販薬
お子さまに起こる体調不良は、外出先や夜間、休日などに発生するケースもあります。すぐに医療機関を受診できない時や自宅で様子を見たい時のために、次のようなお子さま向けの市販薬を常備しておくと安心です。
- かぜ薬
- 解熱・鎮痛剤
- せき止め薬
- 鼻炎薬
- のど飴、のどスプレー
- 整腸薬、浣腸
かぜ薬や解熱・鎮痛剤は、とくにかぜを引きやすいお子さまの頃は使用頻度が高い薬です。薬は直射日光の当たらない冷暗所でお子さまの手の届かないところに保管してください。大人の薬と混同しないように、お子さま専用の常備薬ボックスを用意して管理するのも良いでしょう。
市販薬を使用する際は説明文書をよく読み、定められた用法・用量を守って正しく使いましょう。お子さま向けの市販薬は十分安全性に配慮されていますが、稀に副作用が起きることもあります。どのような副作用が出るのか事前に確認し、副作用による体調変化を見逃さないよう、薬を使用した後はお子さまの様子を見守りましょう。
また、薬以外では熱を冷ますための冷却シートやアイス枕も備えていると安心です。
備えとしてお出かけバッグや避難グッズの中にも用意
お子さまがいる家庭では、お出かけバッグや避難グッズの中に上記で紹介した常備薬はもちろん、その他の衛生用品を備えておくと良いでしょう。
たとえば、絆創膏や体温計、スポーツドリンクやエネルギー補給できるもの、ウェットティッシュ、予備のおむつ、ハンカチ、ティッシュなどを入れておき、必要な時に使えるようにしましょう。その他、健康保険証や母子手帳、薬手帳もすぐに持ち出せるように準備しておくと緊急時に役立ちます。
- お子さま向けかぜ関連の薬 困った時のQ&A
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目次
お子さまが体調不良になった時にホームケアで悩むのが、薬の飲ませ方や取扱いです。お子さまが薬を飲むのを嫌がったり、上手に飲めなかったりすると焦ってしまうこともあります。
お子さま向けの薬は十分安全性に配慮されていますが、副作用や飲み合わせ、アレルギーなどに関する疑問を持っている方も多いかもしれません。
今回は、お子さま向けの薬で困った時の対処法をQ&A方式でご紹介します。
Q1:お子さまが薬を嫌がって飲んでくれません。どうすれば?
A:お子さまが薬を嫌がって飲んでくれない時に、ママやパパが無理やり飲ませようとしてもむせてしまったり、口から全部吐き出してしまったりすることがあります。どうしても薬を嫌がる場合は薬そのものや飲ませ方を工夫しましょう。
薬の工夫
- お子さまの好きな味を選ぶ
いろいろな味の市販薬があるので、お子さまの好きな味を選びましょう。 - 飲みやすい剤形を選ぶ
飲み薬の剤形には「シロップ」「顆粒・粉薬」「錠剤」「カプセル」などの種類があります。用法・用量に合った、お子さまが飲みやすいものを選びましょう。 - お薬団子にする
少量の水で顆粒・粉薬を溶いて小さく団子状にしてから飲ませます。団子状にする際の水の量はごくわずかです。ティースプーン等で1滴ずつ入れて混ぜてみましょう。お薬団子は、頬の内側に塗るようにしてお水などで飲ませてあげましょう。舌に触れると苦みを感じることがあるため、舌の上に塗るのは避けましょう。 - ゼリー、ジュース、アイスクリームに混ぜる
顆粒・粉薬を服薬用ゼリーやジュース、少量のアイスクリームなどに混ぜて、飲ませます。混ぜてから時間がたつと味が変わる場合があるため、服用させる直前に混ぜてください。また、薬の種類によっては混ぜることで効果が強く出たり副作用が現れやすくなったりする場合があるため、薬局・薬店等でご相談ください。
声かけの工夫
- 「(お子さまの)好きなキャラクターと一緒に治そうね」と、キャラクターも一緒にお子さまを応援していることを伝えます。
- お子さまが薬を飲めた時は、「薬が飲めて良かったね」「これで元気になるね」と必ず褒めてあげましょう。
Q2:市販薬がたくさんあります。剤形はどうやって選んだら良いの?
A:それぞれの剤形の特徴を確認してみましょう。
シロップ・顆粒・粉薬
小さいお子さまには、シロップや顆粒・粉薬といった飲みやすい剤形を選びましょう。
シロップは甘くて飲ませやすい仕上がりになっています。最近の顆粒・粉薬は苦みを感じにくく、甘い風味に仕上げた薬もあり、持ち運びにも便利です。またこれらは、ゼリーやジュース、アイスクリームに混ぜやすいというメリットもあります。錠剤・カプセル
固形物が飲み込めるお子さまには、錠剤やカプセルを選ぶこともできます。薬の風味を感じることなく楽に服用できる場合もあります。
Q3:市販薬は併用しても大丈夫?
A:それぞれのケースに応じて確認してみましょう。
市販薬との併用ケース
かぜ症状関連の市販薬を併用した場合、それぞれの目的や成分名が違ったとしても、薬効が重複している可能性があります。作用が強く出たり副作用が現れやすくなる可能性があるため、自己判断で市販薬を併用することはやめましょう。薬に添付されている説明文書に一緒に飲んではいけない薬などが記載されていますので、忘れずに確認してみましょう。
処方薬との併用ケース
医師から薬が処方されている場合は、医師の治療を優先し、自己判断での市販薬の併用はやめましょう。市販薬を併用する前に、必ず処方した医師または薬剤師に相談しましょう。
Q4:市販薬の服用間隔はどのくらい?
A:市販薬の服用間隔は、薬の説明文書の記載内容を必ず守るようにしてください。記載通りの1日の服用回数や服用間隔を守りましょう。十分な間隔をあけずに一度に複数回分を飲ませたり、頻回に飲ませたりすると薬の血中濃度が高くなり、副作用が起こるリスクが高くなります。お子さまが頻回に飲みたがったとしても大人がしっかり説明し、安全管理を徹底しましょう。
また、お子さまの体調によって薬を服用して吐き戻す場合もあると思います。どれだけの量を服用したか分からない場合、新しく飲ませたりせずに次の服用タイミングまで様子をみてください。Q5:市販薬による副作用が心配です。気づくポイントは?
A:薬には、病気を治すための主作用と、まれに好ましくない作用である副作用が起こることがあります。一般的に、薬は効果と安全性のバランスをとって有効成分や配合濃度が決められています。市販薬は、一般の方が個人の判断で使うものなので、安全性を重視したものとなっていますが、個人差もあるため気をつけながら薬を使用しましょう。副作用と疑われる症状が出た場合は、ただちに使用を中止し、医師、薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
- 市販薬を買う時に、その薬にどのような副作用があるのか、自分の体質に合っているか等を薬剤師や登録販売者に相談しましょう。また、薬の説明文書に起こりうる副作用が記載されています。よく読んでどのような副作用があるのか理解しておきましょう。
- 日ごろからお子さまの様子を見守り、気になる症状がないか確認しましょう。
Q6:子どもにアレルギーがあります。薬を服用していいですか?
A:お子さまに卵や牛乳などに対する食物アレルギーの疑いがある時は、市販薬を使用する前にアレルゲン(アレルギーを起こす物質)が含まれていないかを確認しましょう。市販薬の中には、その製造過程で卵や牛乳成分を使用しているものがあり、稀にアレルギー反応が起きてしまうことがあります。
お子さま自身のアレルギーの有無については、家庭で判断できないため、皮膚科や小児科などの医師の診断を受けましょう。
Q7:薬を飲ませ忘れてしまいました。どうすれば?
A:薬を飲み忘れたことにすぐ気づいた場合は、気づいた時点で飲ませてあげてください。ただし、次に服用するタイミングが近い場合は注意が必要です。例えば朝昼夕の1日3回飲むところ、朝の1回目を忘れて次に飲むタイミングの昼になってしまった場合は忘れた1回分を飛ばして昼の分から飲ませましょう。1日3回服用のお薬は4時間以上の間隔、1日2回服用のお薬は6時間以上の間隔、1日1回服用のお薬は8時間以上の間隔を空けるのが目安です。薬の説明文書を必ず確認しましょう。
Q8:休日や夜間にお子さまの体調が急変。どうすれば?
A:お子さまが発熱した、あるいは薬を誤飲したなど、かかりつけ医や近隣の医療機関が閉まっている休日、夜間などに具合が急に悪くなることは珍しくありません。まずは慌てず、お子さまの全身状態を確認しましょう。高熱やひどい嘔吐に伴い、「けいれんを起こす」「意識がない」「呼びかけに答えない」「呼吸が苦しそう」など、いつもと明らかに様子が異なる時は休日や夜間に診療している医療機関を受診しましょう。
緊急受診するかどうかの判断に迷う場合は夜間・休日対応の小児救急電話相談(こども医療でんわ相談)「#8000(全国共通ダイヤル)」に電話をし、医師や看護師のアドバイスを受けて必要に応じて対処しましょう。
- こども医療でんわ相談(夜間・休日)
#8000(全国共通ダイヤル)(相談料無料、通信料は利用者負担)
急性中毒に関しては、「中毒110番」に電話をすると、受診の必要性、予想される中毒症状、ご家庭で可能な応急手当などの情報提供を受けることができます。
- 公益財団法人日本中毒情報センター 中毒110番(365日24時間)(事故に伴い急性中毒の恐れがある場合に限る)(情報提供無料、通信料は利用者負担)
つくば 中毒110番:029-852-9999(24時間対応)
大阪 中毒110番:072-727-2499(24時間対応)
- お子さまの好きな味を選ぶ