安心・安全への取り組み
お客様へ安心・安全で高品質な製品を届けるため、製品の開発から製造、出荷までのあらゆる工程にて品質の確認を行っています。またお客様からいただいた情報はお客様相談窓口を介して、各製造現場にフィードバックすることで、より良い製品の提供を目指します。
研究・開発
申請
医薬品を製造・販売するためには、製品ごとに厚生労働省の審査を受けた上で、承認を取得しなければなりません。審査には有効性や安全性、品質に関する様々なデータが必要になりますので、研究・開発部門と信頼性保証部門が協力し、有効性・安全性が担保された医薬品を申請しています。
OEM先視察
自社で生産できない医薬品は、新たに他社に製造を委託する必要があります。その場合、委託先の品質管理レベルを現地にて確認しています。原料の受け入れから出荷に至るまでの工程にリスクが潜んでいないか、系統だった手順に基づいて適切に管理されているか、品質を高めるための改善に意欲的であるかなどを確認し、池田模範堂が販売する製品として適正な品質レベルに達しているかを見極めています。
工業化(製造方法の確立)
原料/資材試験
医薬品の安心・安全は、品質が確保された原料・資材の使用が大前提です。新しく取り扱う原料や資材は、研究・開発段階から研究所と協働し検討しています。
原料は、品質規格に適合するか、同じ原料でも生産時期により品質にばらつきがないか、品質を維持して保管できる条件や使用期限の検討など、様々な試験を行い確認します。
資材は、外観や表示・容器の気密性に不具合はないか、工場の生産設備で安定して生産できる形状かなど試験を行い確認します。
供給元監査
医薬品の品質確保の大前提となる原料・資材は、実際に製造している工場を訪問して確認しています。質・量ともに安定した調達ができるよう供給メーカーと話し合い、その上で製造管理や品質管理、納入の方法などの取決めを行います。
また取決め後も定期的に訪問し、必要に応じて品質向上のための要望を伝えています。品質にとっても両社にとっても良い結果が生まれるように、協力会社として共に歩んでいく提案を心がけ、継続的に品質向上に努めています。
スケールアップ
研究所で開発された製品を、いきなり工場で生産するわけではありません。研究所の実験室で作られた製品(小さいスケール:数100g)が、工場で使用する大きな設備(大きなスケール:数トン)で製造しても、同じ品質になるように、製造方法を検討する必要があります(スケールアップ)。
特にクリーム剤は、撹拌効率や熱の伝わり方によって出来上がる製品の品質が変化するため、段階的にスケールを上げて確認し、品質が担保された製品が生産できるようにしています。
商業化(生産)
受入試験(原料/資材)
生産するために工場に届いた原料・資材は、すぐには工場での生産に使用しません。原料・資材の受入試験は、生産工程の試験検査の中で最初に行われる「第一関門」です。
入庫した原料・資材に間違いはないか?その品質を確認するため、GMP(医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準)に基づき受入試験をおこない、基準を満たしたものだけが生産に使用されます。高品質な製品をお客様にお届けするべく、システムを活用した厳格な管理で、様々な試験検査をおこなっています。
環境試験
品質を確認した原料/資材を使用していても、製造環境が悪ければ、高品質な医薬品は作れません。生産工程での製品への汚染を最小限に抑えるために、製造環境を管理する必要があります。環境試験では、工場が医薬品の製造環境に適していること、および管理状態に異常がない事を確認するために、製品及び生産設備(秤量・調製・充填等)の特性を考慮し、肉眼では観察することができない空気中に漂う微生物や塵を定期的に測定し、クリーンな製造環境を維持・管理しています。
衛生管理
製品へ異物の混入を防ぐにためには、クリーンな製造環境に異物を持ち込まないようにすることが大切です。
工場に入荷した原材料は、エアーシャワーを通し付着物を吹き飛ばして倉庫に保管します。そして開封専用の部屋で作業し、再びエアーシャワーを通してから使用する事で、製造エリアに異物が入らないように管理しています。
また人による異物の持ち込みを防ぐために、従業員に対して製造環境へ持ち込める物を制限し、定期的に衛生管理教育を実施することで、意識向上を図っています。
製品試験
品質に問題がないことを確認した原料・資材を使い、クリーンな製造環境で作られた製品ですが、最終的な試験も欠かせません。有効成分が決められた量だけしっかり配合されているか?製品の外観に問題がないか?など、製品が決められた規格を満たしているか、製品の最終関門とも言える試験を、様々な分析機器を用いて実施しています。
出荷管理
出来上がった製品は、一時的に倉庫に保管されます。その間に生産時に記載した記録書を確認します。手順通りに作られているか、製造工程で作業の変更やミスがなかったか、変更があった場合は適切に処理されたか等、生産工程全体を確認します。
安心・安全で高品質な製品をお客様へ届けるために、生産工程の記録、最終製品の製品試験結果、販売している製品の有効性や安全性情報を確認して出荷しています。
製造工程管理
医薬品は見た目からでは品質は判断できません。そのため、製造工程で品質をつくりこむ必要があります。
GMP基準の下、誰が・いつ作業しても必ず同じ品質・高い品質の医薬品を製造できるように製造する手順を定め、使用する原料・資材の取り違えが起こらないように全てシステムでチェックするなど人為的な誤りを最小限にしています。
また作業者全員に毎月テーマを変えて教育訓練を実施し、製造工程での品質向上に取り組んでいます。
お客様サポート
お客様のご意見・ご希望の収集
製品等に関するお客様から頂くお問い合わせやご指摘は、池田模範堂の品質を支える貴重な情報です。
お客様相談窓口では、一人ひとりの貴重な声を大切にできるよう、社内で共有し、有効性や安全性、製品の表示内容、容器の開け方など様々な形で、品質向上へ対応できることはないかを検討しています。日々の対応でお客様をサポートし続けるだけでなく、お客様の声を広く関係部署へ伝える事で品質の向上に努めています。
安全管理
医薬品は製品の性質上、目的とする主作用の他に、副作用が起こる可能性があります。製品を販売した後も、お客様に安心して使ってもらうために、お客様相談窓口等を通して、製品に関する使用状況や安全性に関する情報収集を行っています。
使っていただいたお客様に何らかの不都合があった場合、その情報を記録し、内容に応じてGVP(医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準)に基づき報告を行います。また添付文書やパッケージの表示変更など、お客様の声を製品へ反映し、より安心して使ってもらえるよう品質の向上に努めています。
品質指摘対応
お客様から頂いた品質に関するご意見を元に、製品を引き取ったうえで、医薬品の品質・有効性に与える影響や人の健康に与える影響を適正に評価し、原因の究明をおこないます。
原因によっては製造所の製造管理や品質管理の改善につながる場合もあり、池田模範堂の製品の品質向上に欠かせない情報のひとつです。
安定性モニタリング
出荷時の検査に合格したら製薬企業としての品質保証が終わる訳ではありません。製品がお客様の手元に届いた後も、使用期限の間、安心してご使用いただくために承認規格を満たし続けているか?継続的に製品試験を行って確認しています。