海外事業グループ
2017年に発足された海外事業グループは、国外に向けた医薬品の出荷調整や広告販促、マーケティングなど、あらゆる業務を一手に引き受ける部署です。常に新しいチャレンジを続ける同部署ならではの「唯一無比のこだわり」をご紹介します。
池田模範堂
海外事業グループ・常務取締役
池田 嘉寿人
2016年入社。営業部 市場開発室、研究所 製剤設計グループ、研究所 マーケティンググループを経て、2023年より現職。常務取締役として、海外事業グループを率いる。
池田模範堂の製品は、1962年、香港・マカオにかゆみ止め薬「MOPIKO(無比膏)」の輸出を開始して以降、60年以上にわたり海外のお客様にご愛用いただいています。
海外事業はメンバーを入れ替えながらも長らく実働2名ほどで担当しており、実力を発揮しきれていませんでした。そんな中、社会の変化や消費の拡大に伴い、本格的に力を入れていくため2017年に発足されたのが、海外事業グループです。2024年5月現在、香港、マカオ、マレーシア、シンガポール、台湾の5地域に展開しており、私は2023年からグループを統括しています。
海外事業グループは少数精鋭の部署ゆえ、2名で1カ国を担当し、それぞれのメンバーが海外商品の出荷調整や広告販促、マーケティング、薬事など幅広い業務をオールラウンドに担当します。そのため、常に全体を俯瞰し、ときには他部署の力も借りながら、事業を推進していく力が求められてくる部署ですね。
現地と日本、両者の強みを生かし「1+1以上」のものを。
海外事業グループの「唯一無比のこだわり」は、国内で培った経験と知見を生かしながら、現地の代理店と共に、1+1以上のものを生み出すことにあると思っています。
もちろん、現地には現地なりのやり方があります。そこへ日本流のやり方を全面的に押し付けようとすれば、まずうまくいきません。そのため、お互いのいいところをミックスするにはどうすればいいか、徹底的に意見を交わしたうえで、より良い施策を打ち出すことが大切です。
例えば「父の日」に合わせ、SNSでイラストを使ったプロモーションを行う場合、現地の方が考えてくれたイラスト案は、現地で受け入れられやすいテイストであることは間違いありません。その一方で、イラスト内での商品の訴求が十分ではないという場合もあります。そこで、元のアイデアを生かしつつ、日本側で長年培ってきたSNSのノウハウを提案することでより良い形に持っていくのが、私たちの役割です。
こうしたケースにも対応すべく、われわれ海外事業グループには海外出身のメンバーも在籍しています。現地の方でなければ分からない文化や感覚、言葉の微妙なニュアンスをくみ取りながら、最も伝わりやすい形で表現してくれるため、非常に助けられています。
さまざまな施策を重ねてきた結果、「MOPIKO(無比膏)」に至っては日本製であることを知らずに、現地の製品だと思っている方もかなりの割合でいらっしゃいますね。それほどまでに定着しているのは、本当にありがたいことだと感じています。
自分の軸を持ちつつ、現場主義を貫く。
海外事業グループをまとめる立場として、私自身大切にしているのが、常に自分の意見をしっかり持つことです。海外の方と交渉を行う際は、タフな交渉相手である場合、こちらが芯を持っていないと押し切られてしまうことも。まずは自分の意見を示しつつ、コミュニケーションを重ね、最善策を探ることを心がけています。
そして何よりも大切なのが、現地を知ること。たとえばマレーシアの場合、蚊の次に刺されやすいのは“アリ”なんです。日本では考えられませんが、現地のアリはサイズも力も違います。それなら広告でも「アリに刺された際のかゆみにも効きますよ」とうたってあげることで、よりお買い求めやすくなるはずです。こういった地域特有の事情や悩みは、やはり現地に足を運んでそこに暮らしている方々と密なコミュニケーションをはかり、小売店を回ってみないと、気付けないことばかりだと思っています。
最後に、海外事業グループには、過去のやり方にとらわれず常にチャレンジし続ける姿勢も欠かせません。池田模範堂には「世界中の肌の悩みを解決したい」という強い想いがあります。国内ではトップシェアを獲得していても、国・地域によっては上位5位以内に入れたばかりと、まだまだ“チャレンジャー”の立場。その想いを実現するためには、常に新しい発想をもって、新しい施策や販路の開拓、広告媒体に挑んでいかなくてはなりません。
幸いにも、海外事業グループのメンバーには「迷ったらまずはやってみる」という精神が根付いています。仮にそれが失敗という結果になったとしても、「通用しないことが分かった」ということが一つの成果であると思うんですよ。
何より私自身、若い頃からプライベートで47都道府県全てを旅し、伝統工芸の体験からスカイダイビングまで「自分にやれそうかな」と躊躇したことは、必ず体験してみる性格なんです。スーツを着た今も、その姿勢を忘れずに仕事に臨みたいと常に考えています。